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2021.05.14

Next Challenge 〜元選手たちの新たなる挑戦〜 vol.7

(株)トラバースは地盤調査・改良を主業とする「地盤のプロ集団」。
同時に強豪の軟式野球部を持ち、毎年のようにルートインBCリーグから人材を受け入れている。
 
2021年2月27日、オンラインでインタビューを実施。メンバーは以下の5人だ。左から
・船﨑星矢さん(前信濃GS)
・小野竜世さん(前新潟ABC)・兼板優貴さん(前福島RH)
=千葉県市川市の本社から参加




・谷中修斗さん(前茨地AP)
=千葉県内の自宅から参加




・金城登耶さん(前オセアン滋賀B)
=同社京滋営業所から参加

 

最後の打席でサヨナラのランナーに

-みなさん、BCリーグを卒業のきっかけを教えてください。
まず3年やった小野さん。新潟では先発要員でしたね



小野さん(以下小野)「シーズン前にケガをしてしまったんです。復帰した後も、思ったほど体が動かなくて、球速も戻らなくなりました。
年齢的にも25歳なので、シーズンの後半にかけて今年で終わりかなと思い始めました」
 
-兼板さんは大卒で2年。



兼板さん(以下兼板)「去年のシーズン前に、"今年(NPBに)行けなければ引退"って決めていました。結果、NPBから調査書が届いたんですが、指名されませんでした。やりきったので悔いはなかったです」
 
-船﨑さんは地元の高校から入団して、5年間でした。このメンバーの中では一番長いですね
 
船﨑さん(以下﨑)「はい。最後の年、ケガもあって数字が上がらなくて…。ここできっぱり辞めようと」
 
-去年のプレーオフ準決勝で、延長10回にヒットを放ち、サヨナラのランナーになりました
 
船﨑「そうなんです。結果として、あれが現役最後の打席になりました」



-谷中さんは高校から福島RHに入団して、通算3年。去年は茨城APに移籍しました



谷中さん(以下谷中)「僕の場合は自由契約です。地元(千葉)で野球をやりながら働けるところ、という理由でトラバースに決めました。今はコロナで自宅待機ですが…」
 
 

奥様との馴れ初めは中学校

 -金城さんは京滋営業所からですね。高校は地元の近江高。
 
金城さん(以下金城)「はい。僕は最初から2年って決めて来ました」



-甲子園にも投手で2回出場されていますね。そして高校卒業後、地元のオセアン滋賀Bへ。そして職場も地元。地元にこだわりがあったんですか
 
金城「はい。実は去年結婚して、子供も生まれたので、地元で働くことにしました」
 
-素晴らしいですね。ちなみに奥様とはどちらで知り合ったんでしょうか?
 
金城「…中学校です」(一同どよめく)
 

専門的な技術を身に着けたい

 -ところでみなさんが、トラバースに入社を決めたのはどんな理由からでしょう
 
船﨑「もともと、野球を辞めたら専門的な技術を身に着けよう、と思っていました。ずっと野球をやってきたので、次もひとつのことを極めたいなと」
 
小野「新潟ABCから何人か入社しているんで、仕事の内容や待遇は知っていました。体力の必要な職場だけど、給料はいい。
それに自分はパソコンに向かうよりも現場のほうが向いていると思いましたし。もちろん野球部もありますし」
 
-なるほど。みなさん、現在は研修中だと思いますが、どんな一日を過ごしていますか?   (京滋営業所の)金城さん、たとえば昨日はどんな一日でしたか?
 
金城「午前に1件、午後にもう1件、地盤調査で回りました。具体的には測量、およびボウリングで地盤の質を確認していく作業ですね」
 
-(金城さんに同席されている京滋営業所長の橋本さんに)橋本所長、金城さんはどんな新人でしょう?
 
橋本所長「京滋の営業所でBCリーグの選手を採用するのは初めてなんですが、真面目に頑張ってくれていますよ! 早く仕事を覚えてもらって、機械オペレーターとしてうちのエースになってほしいですね」

 

インタビューでプロポーズ?

 -みなさんトラバースに入社して、どんな未来を描きたいですか?
 
谷中「早く仕事を覚えて職長と呼ばれるようになりたいです」
 
船﨑「自分で地盤調査した土地に、でっかいマイホームを建てたいです!」
 
兼板「まだ雑用なので、早く偉くなって、おカネためてマイホーム持って、子供も3-4人欲しいです」
 
-兼板さんもご結婚されているんですか?
 
兼板「いえ、彼女がいます。(それってプロポーズやんか、とのヤジに)…あ、はい、プロポーズでいいです!」
 
小野「早く仕事を覚えて会社に貢献しないと。あと、(社内の)野球部でエースになりたいです!」

 

BCリーグでボールボーイをやりました

-みなさんにとってBCリーグはどんな場所でしたか。
 
小野「夢を追いかける場所、そしてあきらめる場所。たくさんのご縁をいただいた場所です。BCリーグでプレーできてよかった」
 
金城「僕も、夢を追いかける場所やったなーと」
 
兼板「BCリーグは親や家族、ファン、スポンサーの方々の応援が、肌で感じられる場所でしたね。この人たちがいるから頑張らないといけない、といつも思っていましたし、いつも励まされました。高校大学でも野球をやってきたけれど、一番野球に本気になれた、頑張れたのがBCリーグでしたね」
 
船崎「僕は5年やったんで…一言では、ちょっと言えないかも…」
 
-では、BCリーグで頑張る後輩たちへ一言
 
小野「僕自身も野球を辞めるとき不安だったけど、セミナーでいろいろな会社を紹介してもらえました。だからあとのことは心配せず、野球に集中して、NPBを目指してほしい」
 
船﨑「僕は信濃GSの地元(中野市)だったので、小学校の頃はボールボーイもやっていました。その経験も含めてBCリーグの選手は、子供たちにとって憧れの存在。後輩たちにもそれは伝えたいですね」
 
谷中「BCリーグに入れるだけでもすごいことです。さらに上を目指してほしい」
 
金城「おカネをもらって野球をやれることは、実は当たり前じゃない。応援してくれる人がいるから野球ができるんです。それに感謝しながらプレーしてほしいですね」
 
途中でプロポーズ宣言まで飛び出すにぎやかなインタビューになった。
5人中4人は軟式野球部に所属するとのこと。ちなみに同社の野球部は3軍まであり、振り分けはこれからだそうだ。仕事も野球も健闘を祈りたい。



[株式会社トラバース]
昭和51年設立。大手ハウスメーカーの敷地調査を請け負う一方、地盤対策の専門会社として成長し、独自の技術とノウハウを確立した。現在は関東を中心に東海・関西・東北にも営業所を開設。本社は千葉県市川市。正社員数は481人、全従業員は948人(令和2年4月1日現在)。
ホームページ=http://www.travers.co.jp/
 
小野竜世(おの・りゅうせい)
1995年生まれ、東京都出身。投手。初芝立命館高から大阪体育大を経て、2018年に新潟アルビレックスBC入団。2020年引退。
通算成績:試68 勝18 敗11 S0 回224     振211 防3.78
 
 
船﨑星矢(ふなざき・せいや)
1997年生まれ、長野県出身。外野手。松商学園高から2016年に信濃グランセローズ入団。2020年引退。
通算成績:試264 打867 安223 本22 点142 盗26 率0.257
 
 
兼板優貴(かねいた・ゆうき)
1996年生まれ、徳島県出身。外野手。鳴門渦潮高から神戸医療福祉大を経て、2019年福島レッドホープスへ入団。2020年引退。
通算成績:試103 打266 安82 本4 点29 盗26 率0.308
 
 
谷中修斗(やなか・しゅうと)
1999年生まれ、千葉県出身。投手。鹿島学園高から2018年福島レッドベースボール へ入団。2020年途中に茨城アストロプラネッツに移籍し、同年引退。
通算成績:試31 勝2 敗5 S0 回83 2/3 振32 防6.99
 
金城登耶(きんじょう・とうや)
2000年生まれ、滋賀県出身。投手。近江高から2019年にオセアン滋賀ブラックスに入団。2020年引退。
通算成績:試40 勝2 敗13 S0 回104     振62 防6.23
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