2018.12.10
MIKITO AED PROJECT
MIKITO AED PROJECT
2006年7月9日、新潟県糸魚川市の小学生 水島樹人(みずしま みきと)君が少年野球の試合前に、急性心不全でこの世を去りました。享年9歳でした。
“MIKITO AED PROJECT” の構想は、樹人君のお母さんから手紙を頂いたところから始まりました。
翌年開幕が決定していた北信越BCリーグ(現:ルートインBCリーグ)では、「地域の野球を愛する子供たちの為に何か出来ないか、樹人君の悲劇を繰り返さない為にはどうしたらいいのか」を考え、そこからAEDの普及活動をリーグとして行う “MIKITO AED PROJECT” を立ち上げました。
このリーグに関わるすべての人の原点がここにあります。地域の方々に支えられてできたBCリーグと同じように、一人ではできないことも、力を合わせればできるのでは…。
AEDがあったら助かったかもしれない大事な命。「AEDの普及も、きっと」そう信じてこのプロジェクトを推進していきます。
MIKITOとBCリーグのプロローグ
“MIKITO AED PROJECT”は、2006年8月、天国から届いた一通の手紙から始まりました。
2006年、村山・現ルートインBCリーグ代表は「野球事業を通じて地域に恩返しがしたい」との思いで北信越4県を廻り、この趣旨に賛同いただける協力者を探しました。
しかし、「趣旨は理解できても、素人同然の野球興行で 2,000人も3,000人もお客さんなんか入る訳ないじゃないか」 何枚名刺を配ってもこの言葉を覆す事が出来ずに、 事業そのものが頓挫しかけていました。
「もしかしたらこのリーグは立ち上がらないかもしれない」 口には出しませんでしたが、村山代表と当時の長野の球団代表はそんな事を考えていました。
そんな時、村山代表に届いた一通の手紙で、野球を心から愛しながら、天国に旅立った樹人君とそのお母さん、正江さんの想いを知ることになります。
「新潟のプロ野球球団を応援したいと言っていた、息子の夢を叶えてあげてください」
長野市内の居酒屋でこの話をした時、「とても悲しくて残念でたまらない話だけど、腹の底から勇気を貰える話じゃねえか。」 いつも気丈な長野の球団代表がぽろぽろ涙を流しながらつぶやきました。
樹人君から何にも勝る勇気をもらいました。 「もう一度4県で協力者を探そう。一度断られた人たちにもう一度お願いしてみよう」スタッフ全員でリーグ設立に向けて再び動き出し、ついに新潟・信濃・富山・石川の4球団設立のめどがたちました。
全く時間のない中で信じられない程のスピードとエネルギーでこのBCリーグは設立に至りました。 樹人君が応援してくれていたからどんな困難にも立ち向うことができ、このリーグは立ち上がったと言っても過言ではありません。
リーグが始まってからは、正江さんと長女の奈摘さんと様々な球場をまわり、AEDの普及活動を一緒に取り組んできました。正江さんと奈摘さんは、リーグの家族のような存在でした。
しかし、その2人も樹人君と同じ病気で、天国へ旅立ってしまいました。
このリーグに関わる全ての人の原点がここにあります。 私たちはリーグが存続する限り、 このプロジェクトを続けていきます。
私たちリーグとチーム関係者は、 日々様々な問題に直面しています。時間も資金の余裕もない中で、心が折れそうになる事があります。
そんな時は「樹人君、正江さん、奈摘さんが見ているぞ、もっと頑張れ!」いつも自分たちを奮い立たせています。
少年の夢は私たちの夢です。その夢を叶えるために、これからも全力で取り組みます。
活動内容
地域へのAEDの寄付
MIKITO AED PROJECTグッズの販売による収益をAEDに充て、地域へのAED寄贈活動をおこなっています。
※2017年7月9日現在、ルートインBCリーグではMIITOグッズの収益から、合計33台のAEDを各自治体やスポーツ施設に寄贈しています。
AEDの啓蒙活動
AED自体の普及、啓蒙を目指して選手が参加する形でAEDの講習会を行っています。
取り組み/評価
背番号”10″を永久欠番に
私たちは、樹人君の想いを地域のファンに伝えたいとの願いから、 全球団の背番号10番を永久欠番にしています。背番号10番は、樹人君が 所属していた糸魚川市大和川マリンファイターズのキャプテンが背負う番号。翌年、樹人君が付けるはずだった背番号なのです。背番号10番を全員が背負ってプロ野球選手 になりたかった樹人君の夢をともに叶えたいと思います。
第一回地域スポーツ振興賞・最優秀賞を受賞
地域・スポーツ振興賞とは経済産業省が所管する「社団法人スポーツ健康産業団体連合会」がスポーツ健康産業振興の一環としてスポーツを通じた地域振興に貢献している団体・グループを表彰することを目的として創設されたものです。 BCリーグでは初年度からリーグ全体で取組んできた「MIKITO AED PROJECT」をテーマにBCリーグの理念、活動内容、「MIKITO AED PROJECT」発足の経緯や活動内容、結果を提出し、最優秀賞を受賞しました。