2019.10.12
Road to 10.17 vol.4 速水 隆成(群馬ダイヤモンドペガサス)
ルートインBCリーグに素晴らしい体格を誇る選手がいる。群馬ダイヤモンドペガサスの速水隆成捕手である。身長188センチ・体重100キロの体はひときわ目立つ。有原航平(日本ハム/身長189センチ・体重101キロ)とサイズ感はほぼ同じ。NPBに入っても身体で負けることはなさそうだ。
そんな速水は桐生第一高校から群馬に入団して4年。なによりもの変化が捕手を始めたことだろう。がむしゃらに必死で練習に取り組んだ。自身の動画を撮り、NPBやMLBの捕手と比べ研究することも怠らない。その甲斐もあり、(一塁と併用とはいえ)BCリーグ選抜に名を連ねるほどの存在となった。
しかし、速水は言う。
「スローイングとかキャッチングをちゃんと教わったことないんですよね。教えてくれる人がいればもっと変わるのかな、とも思いますね」
チームに打撃や守備のコーチはいてもバッテリーコーチはいない。その環境を考えると恐るべき進化ではあるが、まだまだノビシロはあるぞ、と言いたげだ。
守備よりも打撃が売りと称する速水にはこだわりがある。
「フルスイングで飛ばすより、力感なく『えっこれで入っちゃうの』みたいなイメージで打ちたいんですよ。そのなかで僕は打率2割5分だけど30本塁打じゃなくて、打率3割5分で30本塁打を打ちたいです。それこそ『打てる捕手』っす」
自身のブログに「自分の中でのゴールは、MLB No.1キャッチャーであり三冠王です。」(原文ママ)と書いてあるだけあり、目標は高い。
とはいえ、昨今のプロ野球において、打撃型の捕手は強みを生かすためにコンバートされることも多い。これだけ捕手にこだわりを持っている速水はどう考えるのだろうか。
「一塁でもやります。どこでもやります。そこでこだわりをもちますよ。でもキャッチャーでこれだけ頑張ってきたので、キャッチャーでやりたいですけどね。やってて楽しいので」
高い目標に向かってこだわりを持ちつつも、柔軟性があり、さらには楽しさも見出している。
厳しい練習のなかでも野球を楽しむことが出来る選手はきっと強い。
文/勝田 聡